座布団2 初助編~花扇~   

a0106747_12245019.jpgcv:黒田崇矢×三木眞一郎


今や当代きっての人気落語家になった三九亭感謝@勝平ちゃんは、師匠の初助@ミキシンの本を書きたいと言うライターから食事に誘われる。感謝の事を影で支えるパートナーの寒也@神谷選手と共に待ち合わせた露店で、酒を飲みながら語られていく師匠の半生。生前「プロの女より男の喰い方が上手い」と言われた師匠には、意外にも一途な愛を貫いた運命の恋物語があった・・・。

前作の「座布団」に感激し、続編を心待ちにしていた。今回は初助の過去話であり、しかもお相手の寺田銀治郎が黒田さんとあって、どんだけエロ濃く滴るような物語かと思い、原作未読者としては気合を入れて聴いた(笑)。ほら普段の黒田さんってエロい・クドい・怖い(褒めてます)ってイメージ強いからさぁ。ところが物語は純愛で、予想を裏切りと言っては大変失礼だけど、エロくない黒田さんの演技がすばらしくブラボーで泣けたよ。熱っぽくならない熱演(なんかややこしいな)で、昭和のかほり漂う高倉健風味の男前具合がステキ!あと3日戦争が長引いていたら、特攻で大空に散っていたと言う伯父を持っていた世代としては、「命あることを悔いて恥じて」生きていた男が持つ影と言うか疵と言うか、言葉にできないものを背負い続けた”戦後の男”って感じが良く出ていて胸が痛んだ。同じ低音系でも大川さんや梁田さんなんかだと、優しさに流れすぎてあの背中の哀しみが出なかったような気がして、黒田さんのクセがある低音で聴かせられると、不器用な頑なさと心根の優しさのバランスが良く、すごく心に訴えかけてくる。
ミキシンの初助は、艶と婀娜とかんしゃくを持ち合わせた芸術肌の落語家のイメージに良く合っていたし、芸のためにわが身を金に換えることも厭わない、したたかな骨太さも感じさせる巧演。”泣きのミキシン”の手管にそうそう堕とされてたまるかっ!と意地を張りつつ目を潤ませて聴き進んでいたけれど、最後のモノローグで語られる”風”の話で、ついに涙腺が大決壊(号泣)。久しぶりにBL聴いて目が腫れた。修羅場の人生の中で、そっと大切に仕舞っておいた男の純情にダダ泣きした。脇の勝平ちゃんも神谷選手もいい味出してるし、下村役の緒方賢一さんも重厚かつ脂ぎった、いやらしさ全開の狸爺ぶりで(賞賛です)えげつない悪役とは、かくあるべしの声色。時間にゆとりを持ってじっくりと堪能したい、そんな1枚。

と言う事で、作品については一切不満はないけれど、前回同様BGMに対する気遣いのなさには、腹が立つを通り越して呆れる。こんな良い作品は別のメーカーに変えたほうが良くないか?(大怒)
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by lovelove-voice | 2009-11-30 12:33 | さ行

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