影の館 光の書・影の書・暗闇の封印Ⅰ・Ⅱ   

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cv:三木眞一郎×緑川 光
cv:遊佐浩二×山口勝平
cv:大川 透×千葉進歩(絡みなし)

「愛に勝る狂気などあるまい」 この一言に集約される、愛憎と妄執の物語。
まず、天使モノなので信徒でない私にとっては、登場人物の名前・力関係等を覚えるのに必死な1枚目から始まり、2日がかりでシリーズ全編突破。久々にのめり込んで聴いたので、聴き終えた後しばらくは抜け殻のようになりました。天上人たちの物語でありながら、物凄く人間くさい愛憎と妄執が織りなすドロドロドラマですが、登場人物の誰に感情移入するかによって大きく印象が変わるCDかもしれない。キャストはそれぞれに申し分なく本当に素晴らしかったし、BGMも大河ドラマ風(メインテーマ曲だけはやや時代劇チックでミスマッチな気がしたけれど)、全編通して聴き応えたっぷりのシリーズです。がっつりと愛憎劇を楽しみたい時にはオススメですが、かなりの疲労感を伴いますのでどっぷりと浸るなら、聴くのは休日前が良いかもしれません。



主役お2方の演技に関しては、本当に役柄を深く表現されていてすばらしいの一言。が、個人的にアシタロテ@千葉ちゃんの心情に入れ込んで聴いてしまったためか、余りにも救われないアシタロテが可哀想過ぎて胸が痛かった。
天空に居る時も、地上に堕ちた後も、ただ一途に「愛される」事だけを願っていたアシタロテにとって、最後に天上界に連れ戻されたのは果たして幸せだったのだろうか?男娼になり果て汚辱に満ちたモール街で、命に限りを付けられてなお、その中にあって運命を受け入れ光を見出そうとしたのに、どんな境遇にあってもおきれいなルシファ様には、それがアシタロテに似つかわしくない境遇に映ったのでしょう。魂を浄化され、再び天上界に戻ったものの、ガブリエルの元に帰るようなシーンはなく、ガブリエルもあんなに愛しげに回想するようならば、すべてを赦し迎えにいってやれば良いものを・・・ともどかしさと煮え切らないガブリエルに対して、ちょっと怒りすら覚えた。いっそ違う世界に生きることになったままだったほうが、互いのためには良かったのではないか?と思わずにはいられない。なまじ手を伸ばせば触れられるかもしれない同じ世界に身を置きながら、叶えられる事がないガブリエルへの思慕と身体の渇えを抱き、これから永遠の時を過ごさなければならないアシタロテは、本当に救いようがなく深い悲しみだけが残るような気がした。
ルシファの度を越えた慈しみと博愛がミカエルの狂気を呼び、全能の神でさえも嫉妬の炎で我を忘れさせ、天上・地上をも愛憎の嵐に巻き込んだ割には、最後に自分だけ収まるところに収まった印象を受けてしまい、結局はルシファの自己満足に振り回された皆がお気の毒な気すらした。しかし、これこそが冒頭に語られた「我は光を造り また 暗きを創造す」の真の意味だったのかもしれないと思うと、とても奥が深い物語だったと思う。
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by lovelove-voice | 2008-12-05 10:20 | さ行

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